(水引工芸の由来)

日本には約1300年前に中国より伝来したと言われる水引ですが、もともとはインドの釈尊(お釈迦様)が仏事に用いたと伝えられています。遣隋使の小野妹子が帰国時に同行した隋の答礼使が持参した献上品全てに紅白の麻糸がかけ結ばれていました。以後、宮中の贈答品などに紅白の麻糸を結ぶ習慣が広まったようです。

礼儀作法の確立と共に、水引も室町時代に定着し、江戸時代になるとさらに発展、各地方でも色とりどりの飾り結びが生まれ名称も付き、明治時代に更なる開花を遂げます。

長い歴史を経て継承された水引結びから、鶴亀、宝船、松竹梅等をはじめ、四季折々の行事やお祝い事に合わせて作品が生み出されていきました。

水引を結ぶということは、贈る気持ちを相手に伝える事、良縁を永遠につなぎ悲哀を断つことを意味し、日本人の心の文化として、結びに思いを託すようになりました。